DELUXE EDITION Charlie’s Custom
Photo by @wa_gyu__
トラックレース、クリットレースを主戦場とする
アメリカ・ロサンゼルス発のレーシングピストブランド、
ENGINE11(エンジンイレブン)
レース参戦を前提に設計されたアルミフレームは、
毎年、実戦で得たフィードバックをもとに細かなマイナーチェンジを実施。
「勝ち続けるための進化」を重ね、現在の完成度へと辿り着きました。
Photo by @wa_gyu__
レースで使用されている ENGINE11 のフレームは、すべて市販モデルそのもの。
つまり、誰でも手にできるその一台が、実際にレースの現場で戦っている高精度なレーシングフレームなのです。
ストリートユースにも対応するアルミ合金素材を採用し、耐久性・軽量性・剛性のバランスが秀逸。
だからこそ、レースでも、日常のライドでも、世界中の多くのライダーに選ばれています。
今回のブログでは、
福岡よりオーダーをいただいた ENGINE11 CRITD LIMITED DELUXE EDITION フルオーダーカスタムをご紹介いたします。
オーナーが当店に訪れたのは、初夏の空が広がり始めた5月の終わり。
「ENGINE11に乗るならCharlieへ」と、福岡から足を運んでくださいました。
店内で実際にフレームを見比べ、触れ、じっくりと話を重ねる中で見えてきたのは、
「乗るなら走りの本質を感じられる一台に」という想い。
ENGINE11 の多彩なラインナップの中から、
最終的に選ばれたのがこの CRITD LIMITED DELUXE EDITION でした。
その選択には、デザインや希少性だけでなく、実戦で磨かれた走行性能への確信がありました。
ニューヨークを拠点にしていたサイクルブランド DELUXE CYCLES は、現在サンフランシスコへ拠点を移しています。
コラボレーションのきっかけは、ENGINE11 とご近所になったことから始まったとか。
レーシーなイメージを持つ DELUXE が手掛けた今回のフレームカラーは、なんと日本の TRD(トヨタ・レーシング・デベロップメント) にインスパイアされたもの。
たしか DELUXE ブランドオーナー・Wilis のお母さんはカーラリー選手だったはず。
前回モデルに比べ、今回は少しシックな雰囲気に仕上がっています。
そしてこの DELUXE EDITION は、すでに生産が終了し国内外ともに完売となりました。
まさに、オーナーだけが手にすることのできた特別な一台です。
レースはもちろん、普段使いにも映える、二度と手に入らないリミテッドモデル。
その存在感は、これからのライドでますます輝きを増していくでしょう。
LIMITED モデルのベースとなるのは、
世界中のノーブレーキ・フィクスドクリテリウムレースで勝利を重ねてきた
ENGINE11 CRITD(クリットディー)
その名の通り、クリットレースに特化して設計されたこのフレームは、
剛性と軽量性に優れる6069アルミ合金を採用し、
軽量フルカーボンフォークを標準装備した、妥協なきレーシングスペック。
CRITD 特有のフレーム設計が生み出す、コーナー立ち上がりからの鋭い加速。
一度でも乗れば、そのレスポンスと推進力に驚かされるはず。
けれど、このフレームの魅力は剛性だけではありません。
キレのあるハンドリング、路面との一体感、踏み込んだときの素直な反応。
速さと扱いやすさ、その両方を備えていることこそが、
レースでも日常でも、CRITD が信頼される理由。
2025年モデルでは、最大32Cのタイヤクリアランスに対応。
※タイヤやホイールの組み合わせによってはクリアランスに差が生じる場合があります。
より高い安定性と路面追従性を実現し、
レースはもちろん、都市でのライディングにもさらなるフィット感をもたらします。
ENGINE11 はレーシングフレームでありながら、前後ブレーキの装着にも対応。
レース後の街道練習はもちろん、通勤や日常のライドにもそのまま使える設計です。
速さを求めるライダーにとって、一台で走りのすべてをカバーできるのは大きな魅力。
競技性と実用性、その両立こそがENGINE11が長く愛される理由でもあります。
パーツ構成や細部の仕上げまで、煮詰めた打ち合わせを重ね、
選び抜かれたフレームは製作台へ。
どれほど高性能なレーシングフレームでも、
BBやクランクの組み合わせ次第で、その走りは大きく変わります。
これはメーカーや素材を問わず、競技用カーボンフレームでも同じこと。
駆動系の選定と精度次第で、フレーム本来の性能は引き出されもすれば、眠ったままにもなります。
一般的に調整や加工をほとんど行わずにクランクを取り付けると、
回転性を優先すればチェーンラインが犠牲になり、
チェーンラインを優先すれば回転性や剛性が不足しがち。
このトレードオフは珍しいことではありません。
重要なのは「ただ取り付ける」のではなく、
性能を最大限に発揮できる状態へ最適化すること。
フルオーダーカスタムでは、まずフレームの下処理から始まります。
専用工具でBBシェルのネジ山を正確にタッピングし、接地面を水平にフェイシング。
この工程が、後の走りを決める土台となります。
フレームの精度を整えたあとは、
0.1mm単位から1.0mmまでの範囲でスペーサーを調整し、必要に応じてパーツ加工も行います。
スペーサーはステンレス・アルミ・ナイロンなど複数の素材を使い分け、
場合によっては異素材を組み合わせて、それぞれの特性を引き出します。
回転性・剛性・チェーンライン。
この3つの要素を、一台ごとに最適なバランスへ導くこと。
それが、Charlieのフルオーダーカスタムが目指す仕上がりです。
ヘッドセットの取り付けも、下処理を経て正確に施工します。
特に CHRIS KING や PHIL WOOD のような高精度ヘッドパーツは、
圧入精度が走行性能や耐久性に直結するため、クランクまわりと同様に厳密な作業が求められます。
圧入部の状態を確認後、専用リーマーで真円度を確保し、
フェイシングで接地面の水平精度を整えます。
これによりベアリングの回転抵抗を最小限に抑え、
フォークの回転性能と耐久性を最大限に引き出します。
わずかな歪みや傾きが走行フィールや寿命に影響するため、
すべての工程を一台ごとに精密に仕上げています。
こうしてフレーム精度、駆動系、ステアリングまわりまでを最適化し、
ホイールやコンポーネントが順に組み付けられていきます。
すべての要素が、ただ一つの走りのために研ぎ澄まされていく。
Charlieフルオーダーカスタムピスト
ENGINE11 CRITD LIMITED DELUXE EDITION Charlie’s Custom をご覧ください。
6069アルミフレーム ENGINE11 CRITD LIMITED に、STIFFI WHEELS 50SL カーボンホイールを前後に装備し、走りを研ぎ澄ませたスタイルに。
STIFFI WHEELS 50 SUPER LITE CARBON TRACK
東レ T800 カーボンを用いた 50㎜ ハイトリムは、
軽量かつ剛性・反応性に優れ、トラックからクリテリウム、街乗りまで幅広く対応。
リムブレーキ面にはバサルト加工を施し、安定した制動力と耐久性を確保。
安全面から競技者の街道練習にも応えるスペックとなっている。
組み合わせるのは STIFFI LUX オリジナルハブに日本製 NTN ベアリング、そして DT-SWISS スポーク。
精度、剛性、回転性能、信頼性のすべてを徹底的に追求し、レースユースから日常まで揺るぎない走りを約束するホイールセットに。
ピストバイクでは珍しい、ロードバイクスタイルのブラケットブレーキ仕様は、
近年クリテリウムやトラックレース参戦者のトレーニングシーンでも注目されるスタイル。
その装備からは、オーナーの走りへの本気度が伝わってくる。
Charlieが得意とするドライブトレインカスタム。
MICHE PISTARD 2.0 ダイレクトクランクに PHILWOOD BBを組み合わせ、高剛性・高回転仕様にセットアップ。
コグはオーストラリア BESPOKE 製。
高精度CNCマシニングによる削り出しで、確実な駆動を実現。
チェーンは IZUMI KAI を装着し、次回アップデートで RK MANEUVER へ換装予定。
ハンドル、ステム、シートポストは THOMSON で統一。
ヘッドセットとクランプは CHRIS KING、サドルは REPENTE NJS
TRPブラケットにSHIMANOキャリパーを装備し、高速域でも確実な制動を発揮。
レースで生まれ、暮らしに息づく。
ブレーキを外せば、そのまま sfiDARE CRIT のスターティンググリッドへ。
街を流すには過剰な本格実戦仕様だが、
そのスピードは日々の暮らしに自然と溶け込んでいく。
レースも、通勤も、街乗りも。
走りの質を一切落とさず、ENGINE11の性能を余すことなく解き放つ。
ENGINE11 CRITD LIMITED DELUXE EDITION
Charlie’s Custom
ENGINE11のお求めは、
ENGINE11日本総代理店 Charlie へお気軽にお問い合わせください。
ENGINE11 JAPAN
ピストバイク専門店 Charlie
営業時間 : 12:00 - 18:00
定休日 : 毎週日曜日&月曜日